中国「618」商戦とは? 仕組み・ダブル11との違い・越境ECでの活かし方

中国 618商戦とは 仕組みとダブル11との違い 越境EC

「618(ロクイチハチ。中国語では六一八/リウ・イー・バー)」は、中国で毎年6月に行われる大型セール商戦です。秋の「ダブル11(11月11日)」と並ぶ年2回の山のうち、上半期最大のイベントにあたります。中国向けに越境ECを行う日本ブランドにとっては、年間計画を組むうえで外せない時期です。本記事では、618とは何か、いつ・どう行われるのか、ダブル11との違い、そして日本ブランドが越境ECでどう備えるべきかを、基礎から整理します。

618とは — 京東の創業日に由来する上半期最大の商戦

618は、中国EC大手の京東(JD.com)の創業日「6月18日」に由来します。京東は1998年6月18日に創業したプラットフォームで、2010年前後からこの日を記念した大規模セールを始めました。当初は京東単独・1日だけのセールでしたが、規模の拡大とともに他社も参戦し、いまでは天猫・淘宝(アリババ)、京東、抖音(Douyin)、拼多多(PDD)、快手、小紅書(RED)など主要プラットフォームが一斉に値引きを行う、中国・上半期最大の商戦へと発展しました。

名前の由来は京東ですが、現在は中国EC全体のイベントとして定着しています。日本の「年末商戦」のように、特定の1社のものというより、業界全体の季節イベントだと捉えるのが実態に近いでしょう。

618はいつ? — 約1か月にわたる長期商戦

「618」という名前から6月18日の1日だけと思われがちですが、実際には5月中旬から6月中旬までの約30〜40日間にわたって展開されます。6月18日はあくまでクライマックスの日です。おおまかな流れは次のとおりです。

618 商戦のおおまかな流れ(年により前後します)
5月中旬|ウォームアップ・予告
会場ページ公開、クーポン配布開始、KOL・ライブ配信での「種草(中国語:种草 zhòngcǎo/ジョンツァオ=商品を“植えて”事前に購買意欲をつくること)」が本格化。
6月1日|本番開幕(第1波)
最初の大きな山。多くのブランドがこの日に向けて在庫と価格を準備する。
6月18日|クライマックス
最大のピーク。注文が通常の数倍〜数十倍に集中する。
6月下旬|収束・アフターフォロー
レビュー促進・リピート施策・在庫の振り返り。
※プラットフォームや年度によって開始時期・段階の数は変わります。近年は期間が長期化する傾向にあります。

この長期化には背景があります。1日に集中していた需要を分散させることで物流の負荷を平準化し、また会期を延ばすことで売上総額を積み増す狙いがあるとされています。一方で、期間が長くなるほど「いつが本当の底値か」が分かりにくくなり、消費者の盛り上がりは以前ほどではない、という指摘もあります。

ダブル11(双11)との違い

中国の二大商戦である618とダブル11(双11/中国語:双十一 shuāngshíyī・シュアンシーイー)は、しばしば比較されます。発祥のプラットフォームと時期、そして規模が主な違いです。

項目618ダブル11(双11 / W11)
発祥京東(JD.com)の創業日アリババ(天猫)が主導
時期5月中旬〜6月中旬(上半期)10月下旬〜11月中旬(下半期)
位置づけ上半期最大の商戦年間最大の商戦
規模の目安618のおよそ2倍規模とされる

ざっくり言えば、ダブル11が「年間最大の本番」、618が「上半期の中間決算的なヤマ」という関係です。どちらも全プラットフォームが参加しますが、618は発祥の経緯から京東が、ダブル11は天猫が、それぞれ象徴的な存在になっています。中国ECプラットフォーム全体の違いについては中国ECプラットフォーム比較もあわせてご覧ください。

どこで行われる? — 主要プラットフォームの性格

618は各プラットフォームで同時に行われますが、それぞれ得意分野や客層が異なります。日本ブランドが越境ECで参加する場合、自社の商材に合った場所を選ぶことが第一歩になります。

プラットフォーム性格・強み日本ブランドの主な参入ルート
天猫・淘宝(アリババ)流通規模が大きい。ブランドの信頼感。美容・化粧品・食品に強い天猫国際(Tmall Global)=認定パートナー(TP)経由
京東(JD)自社直販・物流に強み。家電・3C・翌日配送京東国際(JD Worldwide)=保税倉庫の活用
抖音(Douyin)ライブコマース主体。コスメ・トレンド商品・若年層代理店経由
小紅書(RED)「種草」による購買意欲の形成。高単価・高転換種草を起点にしたマーケで併用

日本ブランドにとって入り口になりやすいのは、ブランドの世界観を保ったまま販売できる天猫国際(Tmall Global)です。プラットフォームごとのプロモーション設計の考え方は中国EC プロモーション戦略で詳しく解説しています。

日本ブランドは618にどう備えるか

618は上半期で最も需要が集中するタイミングです。日本ブランドでは、スキンケア・美容、健康食品、ベビー・マタニティ、生活雑貨などが競争力を持ちやすいカテゴリとされています。準備は当日から逆算して、数か月前から動くのが基本です。

  • 2〜4か月前:出店・参加の申請(審査に時間がかかるため早めに)。
  • 2〜3か月前:KOL・ライブ配信枠の確保と「種草」の開始。露出は直前では押さえられないため先行手配が要。
  • 1〜2か月前:商品ページの中国語化、在庫体制の確定(保税倉庫を使うか、国際直送で対応するか)。
  • 1か月前:割引率・クーポンの設計。競合との比較を踏まえて決める。
  • 物流の備え:618期間は注文が通常の数倍〜数十倍に膨らむため、倉庫の処理能力を事前に確認しておく。

あわせて、化粧品はNMPA(中国当局)への登録や効能訴求の表現ルール、健康食品は保健食品(いわゆる「蓝帽子」)の要否など、カテゴリ固有の規制確認も欠かせません。中国向けの規制全般は中国EC 法規制・コンプライアンスを参照してください。

まとめ — 「今年の618はどうだったか」は別記事で

618は、京東の創業日に始まり、いまでは全プラットフォームが参加する中国・上半期最大の商戦です。約1か月の長期戦で、6月18日がクライマックス。ダブル11が年間最大の本番なら、618は上半期最大のヤマにあたります。日本ブランドにとっては、数か月前からの準備と、商材に合ったプラットフォーム選びが成否を分けます。

なお、618の「規模」や「勝ち負け」は年によって大きく変わります。直近の2026年の618がどのような結果だったか、そして近年どう変化してきたかは、【2026年】中国618商戦の結果とトレンドで、検証済みのデータをもとに整理しています。あわせてご覧ください。

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