中国越境EC出店・費用
【2026年】天猫(Tmall)と天猫国際(Tmall Global)の違いとは?出店方法・費用を解説
この記事の要点
中国法人の無い日本企業はまず天猫国際が選択肢ですが、出られることと売れることは別です。
- 天猫との違い:国内向けの天猫は中国国内の企業向けで、天猫国際は中国法人なしで出店できます。
- 費用:保証金・年費・技術サービス料・基礎ソフトウェアサービス費の4つで、天猫国際は年費を維持しています。
- 出店前の確認:カテゴリの規制、商標を示せるか、年費と広告費を少なくとも1年分見込めるかを確かめます。
費用は、2026年5月12日施行の天猫国際の保証金規則と、2026年9月9日施行の年費・技術サービス料率によります。
Tmall Global(天猫国際)は、アリババグループが運営する越境ECモールです。中国大陸の外にある企業が、中国に法人を設けずに、中国の消費者へ海外の商品を販売できます。国内向けの天猫(Tmall)は、主に中国国内の企業が出店するモールです。中国に法人を持たない日本企業が中国のECに出るなら、まず天猫国際が選択肢になります。
この記事は、中国向けの販売を検討しているメーカーや小売の担当者に向けて書いています。天猫国際のサイトで商品を探したい方は、公式サイト(tmall.hk1)をご覧ください。
費用・店舗タイプ・必要書類は、天猫国際の公式規則ページ(rule.tmall.hk2)に掲載されている規則から引いています。基準にしたのは、2026年5月12日施行の保証金規則と、2026年9月9日施行の年費・技術サービス料率です。天猫国際は規則を随時改定するので、申請の前には必ず最新の規則で確認してください。
Tmall Global(天猫国際)と天猫の違い
分かれ目は中国法人の有無で、天猫国際は中国大陸以外の法人が、海外で登録した商標で中国の消費者へ販売できます。
どちらもアリババグループのモールですが、出店できる企業と、売る商品の扱いが違います。出店を考える企業にとっての分かれ目は、中国に法人を持っているかどうかです。
| 項目 | 天猫国際(Tmall Global) | 天猫(Tmall) |
|---|---|---|
| 位置づけ | 越境EC(海外の商品を中国の消費者へ) | 中国国内向けのモール |
| 出店できる企業 | 中国大陸以外(香港・マカオ・台湾を含む)の法人 | 主に中国国内の企業 |
| ブランドの商標 | 海外で登録した商標 | 中国で登録した商標 |
| 日本の商品を売る場合 | 越境ECの小売輸入として扱われる。保税区からの出荷か、海外からの直送 | 一般貿易で輸入してから販売する。商品によっては中国での登録・届出が必要 |
| 向いている企業 | 中国法人を持たずに中国の需要を確かめたい企業 | 中国に法人と流通体制がある企業 |
化粧品や保健食品のように、一般貿易では中国での登録や届出が必要な商品でも、越境ECの小売輸入として販売する場合は扱いが変わります。規制の分かれ方は化粧品・健康食品のNMPA規制の記事で整理しています。
出店にかかる費用の早見表(2026年9月時点の公式規則)
費用は保証金、年費、技術サービス料、基礎ソフトウェアサービス費の4つで、天猫国際は年費を維持しています。
天猫国際の出店費用は、開店時に預ける保証金、毎年かかる年費、売上に応じて差し引かれる技術サービス料と基礎ソフトウェアサービス費の4つです。金額はすべて人民元建てです。
| 費用 | 金額・料率 | 性質 |
|---|---|---|
| 保証金 | 店舗タイプとカテゴリで異なる。化粧品・食品・健康食品(一般)の品牌旗艦店・専売店は5万元、専営店は10万元。医薬は30万元から | 開店時に預ける。退店時は原則返還 |
| 年費 | 3万元または6万元(アパレル・靴・鞄は6万元。服飾雑貨は3万元) | 毎年かかる。2026年4月〜2027年3月は、対象となる新規・2年目の店舗では6万元の類目の年費が3万元に下がり、服飾・母嬰・家居の一部類目の新規店には免除の制度あり |
| 技術サービス料 | 化粧品4%、健康食品3%、食品(菓子・酒・コーヒー・茶)2%、アパレル5%など、カテゴリ別 | 成約額から差し引かれる |
| 基礎ソフトウェアサービス費 | 成約額の0.9%(2025年4月1日から) | 成約額から差し引かれる |
読み違えやすい点が2つあります。ひとつは年費です。国内向けの天猫は2024年9月に年費を廃止しましたが、天猫国際は年費を維持しています。「Tmallは年費がなくなった」という解説の多くは国内の天猫の話です。もうひとつは商標です。品牌旗艦店・専売店で、申請するブランドの商標が登録前(TM)の場合、基礎保証金は10万元になります。
表の費用のほかに、モール内の広告費や、運営を外部に任せる場合はその費用がかかります。カテゴリ別の全表と返還制度の条件は天猫国際の出店費用の記事にまとめています。
店舗タイプと、必要になる商標・授権
店舗タイプは5つあり、メーカーが自社ブランドで出るなら品牌旗艦店で、35類の商標登録証が要るのは卖场型旗艦店です。
天猫国際の店舗タイプは5つです。どれを選ぶかで、必要な商標と授権の書類が変わります。
| 店舗タイプ | どんな店か | ブランドについて必要なもの |
|---|---|---|
| 品牌旗艦店 | 自社ブランド、または商標権者から独占授権を受けたブランドの店 | 商標登録証、または商標登録申請の受理書(受理書の場合は、登録前である事情の説明書も出す)。授権を受ける場合は独占授権書 |
| 専売店 | 商標権者から出店の授権を受けて開く店 | 商標権者が出す授権書 |
| 専営店 | 同じ経営大類で2ブランド以上を扱う店(化粧品は3ブランド以上など、業種別の条件あり) | 業種ごとに決められた段階までの授権、または仕入証憑 |
| 卖场型旗艦店 | チェーンの量販店やB2Cサイトの、ブランド商標権者自身が主体となって開く店 | 商標権者から4段階以内の授権、または仕入証憑。開店する会社として35類の商標登録証なども必要。招待制に限るとする記述もある |
| 銀河専営店 | 天猫国際直営、または品牌旗艦店の商品を代理販売する専営店 | ブランドについての書類は不要(会社の書類は他のタイプと同じく必要) |
メーカーが自社ブランドで出るなら、品牌旗艦店が選択肢になります。35類の商標登録証が必要なのは卖场型旗艦店で、品牌旗艦店ではありません。書類の一覧と業種別の追加資質は天猫国際の出店の流れと必要書類の記事、授権の組み方はブランド授権の記事で詳しく扱っています。
出店を決める前に確かめる3つのこと
商品カテゴリの規制、商標を登録証か受理書で示せるか、年費と広告費を1年分見込めるかの3点を先に確かめます。
天猫国際は中国法人なしで出られますが、出られることと、売れることは別の問題です。申請の準備に入る前に、少なくとも次の3つを確かめてください。
1. 商品のカテゴリが、どの規制にかかるか。医薬や一部の栄養補助食品は保証金が30万元以上になり、出店の条件も厳しくなります。乳幼児用の粉ミルクも、専営店などでは30万元です。また2026年5月27日施行の《商家資質標準》の改定で、食品、乳幼児用の粉ミルク・食品、保健食品などは、中国国内の受託企業の営業許可や食品経営許可など4点を出店時に出すことになりました。
2. ブランドの商標を、登録証か出願の受理書で示せるか。天猫国際は、海外で登録した商標を持つことを出店の条件にしています。出願中の受理書でも申請はできますが、事情の説明書が必要になり、基礎保証金も上がります。
3. 年費と広告費を、少なくとも1年分見込めるか。天猫国際は出店しただけで売れるモールではありません。初年度は、年費と保証金に加えて、モール内の広告や販促の費用を見込んでおく必要があります。
この3つのどれかで止まる場合は、天猫国際から入ることが合っていない可能性があります。向かないケースは中国越境ECが向かないケースの記事、小さく試す方法は探物(全球探物)の記事で紹介しています。
次に読む記事 — 検討の段階別
| いまの段階 | 次に読む記事 |
|---|---|
| 出店を決め、手続きを知りたい | 天猫国際の出店の流れと必要書類 |
| 費用を細かく見積もりたい | 天猫国際の出店費用(保証金・年費・技術サービス料) |
| 運営を任せる先を探している | 天猫国際のTP(運営代行パートナー)の選び方 |
| 他のモールも比べたい | 中国の主なECプラットフォーム |
よくある質問
天猫国際の商品は日本から買えますか?
天猫国際は、中国の消費者に海外の商品を販売するためのモールです。日本からの購入や配送先の条件は、公式サイト(tmall.hk1)で確認してください。
天猫国際と淘宝(タオバオ)は何が違いますか?
天猫国際は、審査を通った海外の企業が出店するモールです。淘宝は、C2C(個人間取引)のモールです。ブランドとして中国で公式に販売するなら、天猫国際が選択肢になります。
天猫国際とアリババはどういう関係ですか?
天猫国際は、アリババグループが運営するモールのひとつです。国内向けの天猫や淘宝も、同じグループのサービスです。
品牌旗艦店の要件に自社が当てはまるか、当社が商標と商品カテゴリから確かめます。
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