中国EC出店を徹底比較!主要プラットフォームランキング

中国EC出店を徹底比較!主要プラットフォームランキング

中国EC出店を徹底比較!主要プラットフォームランキング

 

「巨大な中国のEC市場に参入したいが、どの通販サイトに出店すれば良いのか分からない」「自社製品に最適なECプラットフォームを知りたい」

国内市場の成長が鈍化する中、新たな販路として中国のeコマース市場に注目する企業担当者様は多いのではないでしょうか。しかし、その市場規模の大きさとは裏腹に、独自の商習慣や多数のECサイトが存在するため、何から手をつければ良いか迷ってしまうのが実情です。

この記事では、そのようなお悩みを持つ企業の海外事業担当者様やマーケティング責任者様に向けて、中国の主要ECプラットフォームを徹底比較し、ランキング形式で解説します。

各サイトの特徴から出店方法、費用、そして成功のための注意点まで、事業計画の策定に役立つ情報を網羅的にご紹介します。自社に最適な中国向けECサイトを見つけ、成功への第一歩を踏み出しましょう。

中国EC市場のシェアランキング アリババ・京東・拼多多が3強

中国のEC市場を理解する上で、まず押さえておきたいのが市場シェアの構図です。現在の中国EC市場は、アリババグループ(天猫・淘宝網)、京東(JD.com)、そして拼多多(Pinduoduo)の3社が圧倒的なシェアを占めています。

2023年のデータによると、この3グループで市場全体の約8割を占める寡占状態となっており、中国でECビジネスを行うには、これらのプラットフォームの特性を理解することが不可欠です。

アリババグループ (天猫・淘宝網など): 市場のリーダーであり、ファッションから家電まであらゆる商品を扱う総合ECモール。特に「天猫(Tmall)」は企業の公式ストアが多く、ブランドの信頼性を重視するユーザーが集まります。

京東 (JD.com): 家電やPC周辺機器などの3C製品に強みを持ち、独自の物流網によるスピーディーで高品質な配送が特徴。品質を重視するユーザーからの信頼が厚いプラットフォームです。

拼多多 (Pinduoduo): 共同購入による低価格を武器に急成長したECサイト。地方都市のユーザーを中心に利用者を増やし、日用品や農産物などで強みを発揮しています。

(参考:eMarketer, "China Ecommerce Forecast 2023")

これから紹介する越境ECプラットフォームも、これらの大手グループ傘下にあることが多く、グループ全体の経済圏を理解することが成功の鍵となります。

中国向け主要ECプラットフォーム5選を徹底比較

海外企業が中国の消費者に商品を販売する場合、「越境EC」という形態をとるのが一般的です。ここでは、日本企業が出店可能な代表的な中国向けECプラットフォームを5つ厳選し、それぞれの特徴を詳しく比較・解説します。

天猫国際(Tmall Global) 中国最大のBtoC越境ECモール

天猫国際(Tmall Global)は、中国EC市場で最大のシェアを誇るアリババグループが運営する、BtoC向け越境ECプラットフォームです。中国の消費者にとって最も信頼されているECモールの一つであり、出店していること自体が企業のブランド価値向上に繋がります。

特徴: 圧倒的な集客力とブランド力。厳しい出店審査をクリアした正規ブランドのみが出店できるため、ユーザーからの信頼が非常に高い。

ターゲット層: 都市部の中間層〜富裕層。正規品や高品質な商品を求める傾向が強い。

主要カテゴリ: 化粧品、ベビー・マタニティ用品、健康食品、ファッション。

出店条件: 審査が非常に厳しいことで知られ、日本での法人登記や商標登録、一定規模以上の実績が求められます。

公式サイト: https://www.tmall.hk/

京東国際(JD Worldwide) 家電と3Cに強い直販型EC

京東国際(JD Worldwide)は、高品質なサービスでアリババと双璧をなす京東(JD.com)が運営する越境ECサイトです。特に、自社で構築した強力な物流ネットワーク「京東物流」が強みで、注文から配送までのスピードと確実性で高い評価を得ています。

特徴: 家電やPC、スマホといった「3C製品」で圧倒的なシェア。メーカーからの直販モデルが多く、偽物が少ないという安心感がある。

ターゲット層: 品質や配送スピードを重視する30代以上の男性ユーザーが比較的多め。

主要カテゴリ: 家電、PC・スマホ関連、デジタル製品、ラグジュアリー商品。

出店条件: 天猫国際と同様に審査は厳格で、企業の信頼性やブランド力が問われます。

公式サイト: https://www.jd.hk/

考拉海購(Kaola.com) アリババ傘下の越境EC特化型

考拉海購(Kaola.com)は、もともとNetEase(網易)が立ち上げた越境EC特化型プラットフォームでしたが、2019年にアリババグループに買収されました。メーカーからの直接仕入れを基本とする「直販モデル」が特徴で、「100%正規品保証」を掲げてユーザーの信頼を獲得しています。

特徴: 越境ECに特化しており、海外製品の品揃えが豊富。特に化粧品やベビー用品に強い。

ターゲット層: 海外の高品質な商品を求める20代〜30代の女性が中心。

主要カテゴリ: 化粧品、ベビー・マタニティ用品、健康食品、パーソナルケア用品。

公式サイト:https://www.kaola.com/

抖音電商(Tiktok Shop) ライブコマース主体のSNS型EC

抖音電商(Tiktok Shop)は、日本でも人気のショート動画アプリ「TikTok」の中国版である「抖音(Douyin)」に搭載されたEC機能です。動画コンテンツやライブ配信(ライブコマース)を通じて商品を販売する「ソーシャルEC」の代表格です。

特徴: ショート動画やライブ配信による衝動買いを誘発しやすい。KOL(インフルエンサー)の影響力が絶大。

ターゲット層: 流行に敏感な10代〜30代の若年層。

主要カテゴリ: アパレル・ファッション、化粧品、食品、日用雑貨など、ビジュアルで訴求しやすい商材。

小紅書(RED) 口コミ起点のコミュニティ型EC

小紅書(RED)は、ユーザーの商品レビューやライフスタイルの投稿(UGC:User Generated Content)を中心としたコミュニティアプリから発展したECプラットフォームです。ユーザーは他のユーザーのリアルな口コミを見て、そのままアプリ内で商品を購入することができます。

特徴: 口コミの信頼性が非常に高く、ブランディングや認知度向上に効果的。購買意欲の高いユーザーが集まる。

ターゲット層: 都市部に住む20代〜30代の女性がメインユーザー。

主要カテゴリ: 化粧品、スキンケア、ファッション、旅行、ライフスタイル雑貨。

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自社の商材・目的に合うECプラットフォームの選び方

複数の中国 EC モールが存在する中で、自社に最適なプラットフォームを選ぶことが成功の第一歩です。ここでは、企業の目的や商材に合わせて、どの通販サイトを選ぶべきかの指針をご紹介します。

ブランドの世界観を重視するなら天猫国際

天猫国際は、出店審査が厳しく、名だたるグローバルブランドが公式ストアを構えています。ここに出店することは、中国市場におけるブランドの信頼性とステータスを高めることに直結します。しっかりとしたブランドイメージを構築し、価格競争ではなく価値で勝負したい企業に最適です。

高品質・高価格帯の商材なら京東国際

京東国際は、独自の物流網による確実な配送と「正規品」への信頼から、品質を重視するユーザーに支持されています。特に、精密機器や高価格帯の家電、高級腕時計、日本製の高品質な製品など、信頼性が購買の決め手となる商材を扱う企業に向いています。

化粧品やアパレルなら小紅書・抖音

化粧品やアパレル・ファッションといった商材は、ビジュアルや使用感が非常に重要です。小紅書のリアルな口コミや、抖音のライブコマースによる動画での実演は、商品の魅力を直感的に伝え、ユーザーの購買意欲を強く刺激します。新商品のテストマーケティングや、若年層へのブランド認知拡大を目指す企業にとって強力なツールとなります。

中国越境ECへの出店方法と費用相場

実際に中国でネット販売を始めるには、どのような手順と費用が必要になるのでしょうか。ここでは、越境ECへの出店に関する実践的な情報をご紹介します。

出店形態の種類 直営モデルとTP委託モデル

中国越境ECの店舗運営には、大きく分けて2つの形態があります。

直営モデル: 自社で店舗の構築から運営、マーケティング、顧客対応まで全てを行う方法です。利益率が高く、自由な戦略を展開できるメリットがありますが、中国ECの専門知識やノウハウ、人的リソースが必要となります。

TP委託モデル: 「Tmall Partner(TP)」に代表される、中国ECの運営代行会社に業務を委託する方法です。現地のノウハウを活用できるためスムーズに事業を開始できますが、代行費用が発生し、運営の自由度は低くなります。

出店にかかる初期費用と運営費用の内訳

出店費用はプラットフォームや出店形態によって大きく異なりますが、一般的に以下のような費用が発生します。

初期費用:

保証金(デポジット): 約250万円〜500万円。退店時に返還されることが多いです。

年間利用料: 約50万円〜200万円。プラットフォームの利用料として毎年支払います。

運営費用:

売上ロイヤリティ: 売上の3%〜8%程度。

決済手数料: Alipayなど、決済サービスに支払う手数料(1%前後)。

物流・倉庫費用: 国際送料、関税、保税倉庫の利用料など。

マーケティング費用: 広告費、KOLへの依頼費用など。

特に天猫国際や京東国際といった大手のECサイトは、費用が高額になる傾向があります。

事業計画から開店までの4つのステップ

市場調査と戦略策定: まず、中国市場で自社製品の需要があるか、競合はどこかなどを調査します。その上で、ターゲット層や販売価格、出店するECプラットフォームを決定し、事業計画を策定します。

出店準備: 出店に必要な法人登記情報や、中国での商標登録を済ませます。その後、選定したプラットフォームに出店申請を行い、審査を受けます。

店舗構築: 審査に通過したら、店舗ページのデザインや商品情報の登録、物流・決済方法の設定など、販売を開始するための準備を進めます。

運営・マーケティング開始: 店舗が開店したら、広告出稿やプロモーション活動、KOL/KOCマーケティングなどを通じて集客を行います。同時に、受注管理や顧客対応、在庫管理といった日々の運営業務も開始します。

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中国EC参入前に知っておくべき3つの注意点

巨大な市場には、特有のリスクや注意点も存在します。ここでは、失敗を避けるために最低限知っておくべき3つのポイントを解説します。

必須となる商標登録と各種許認可

中国の商標制度は「先願主義」を採用しており、先に申請した者に権利が与えられます。悪意のある第三者に自社のブランド名を先に登録されてしまう「商標ブローカー」問題も多発しているため、事業開始前に必ず商標登録を行いましょう。

また、化粧品や健康食品などを販売する際は、中国の規制(NMPA登録など)に基づく許認可が必要になる場合があります。事前に専門家へ確認することが重要です。

保税区モデルと直送モデルの物流体制

越境ECの物流には、主に2つのモデルがあります。

保税区モデル: 商品をまとめて中国国内の「保税区」という特別なエリアの倉庫に送り、そこから顧客へ配送します。配送時間が短く、送料も抑えられますが、在庫を抱えるリスクがあります。

直送モデル: 注文が入るたびに、日本から顧客へ直接商品を発送します。在庫リスクはありませんが、配送に時間がかかり、送料も高くなる傾向があります。

自社の商材や販売規模に合わせて最適な物流モデルを選択する必要があります。

アリペイ・WeChatペイへの決済対応

現在の中国では、Alipay(支付宝)とWeChat Pay(微信支付)という2大スマートフォン決済が生活のあらゆる場面に浸透しており、ECサイトでの支払いもこれが主流です。この2つの決済方法に対応していないと、ユーザーは購入を諦めてしまう可能性が非常に高くなります。中国向けのECサイトを運営する上で、この2大決済への対応は必須条件と言えます。

中国EC市場の最新トレンドと今後の市場規模予測

中国のEC市場は、今もなお急速に変化し続けています。今後の事業戦略を立てる上で、最新のトレンドと市場の将来性を把握しておくことは非常に重要です。

ライブコマース市場のさらなる拡大

ライブコマースは、ライブ配信を通じて視聴者とリアルタイムでコミュニケーションを取りながら商品を販売する手法です。特に**抖音(Tiktok)やアリババ傘下の淘宝直播(タオバオライブ)が牽引しており、その市場規模は拡大を続けています。商品の魅力を直感的に伝えられるだけでなく、限定クーポンなどで視聴者の購買意欲を刺激し、爆発的な売上を生むことも珍しくありません。

KOL・KOCマーケティングの重要性

口コミを非常に重視する中国の消費者にとって、インフルエンサーの影響力は絶大です。

KOL(Key Opinion Leader): 数十万〜数百万人のフォロワーを持つトップインフルエンサー。強い影響力を持ち、ブランドの認知度向上や大規模な販促に効果的です。

KOC(Key Opinion Consumer): フォロワーは比較的少ないものの、特定の分野に詳しく、消費者目線でのリアルなレビューで信頼を得ているインフルエンサー。ユーザーとの距離が近く、購買決定に直接的な影響を与えます。

これらのKOL/KOCを効果的に活用したマーケティング戦略が、中国EC成功の鍵を握っています。

まとめ

本記事では、中国EC市場への参入を検討している企業担当者様に向けて、市場シェアから主要なECプラットフォームの比較、出店方法、注意点までを網羅的に解説しました。

巨大で魅力的な中国のEC市場ですが、その構造は複雑で、独自のルールやトレンドが存在します。成功を収めるためには、天猫国際や京東国際といった大手プラットフォームから、抖音のようなソーシャルECまで、それぞれの特徴を深く理解し、自社のブランドや商材、目的に最も合ったプラットフォームを戦略的に選択することが不可欠です。

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