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中国越境EC市場動向

【2026年】中国「双11(ダブルイレブン)」の日程と、これから参入する日本ブランドの使い方 — 今年は「売る場」ではなく「測る場」

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この記事の要点

今年の双11は、これから参入する日本ブランドにとって「売る場」ではなく「測る場」です。

  • 日程:10月15日に予約販売(预售)が始まり、10月20日20時から11月13日まで通常販売(現貨)が続きます。
  • 参加できるのは、すでに出店して事前に申し込んだ店舗です。これから中国越境ECに参入する日本ブランドは、今年は売る側に立てません。
  • 今年やること:自社カテゴリの価格や競合の動きを記録し、来年の計画に使います。

日程は、2026年の招商規則を報じた中国メディアの記事によります。

2026年 天猫「双11」の日程。予約販売は10月15日0時から予熱、10月15日20時から10月20日17時59分まで手付金、10月20日20時から10月25日まで残金。通常販売は10月17日から10月20日19時59分まで予熱、10月20日20時から11月13日23時59分まで通常販売(約25日間)。

秋になると、社内で「中国の双11、うちも何かやらなくていいのか」という話が出ることがあります。双11そのものの説明や過去の流通総額は日本語でも多く紹介されていますが、まだ中国で販売していない会社が今年の双11をどう扱えばよいかに答えている資料はあまりありません。

この記事では、2026年の日程と今年の仕組みを中国側の報道から整理したうえで、越境EC(天猫国際)ならではの論点と、参入を検討している会社が今年やっておくことをまとめます。双11と618の違いなど基礎的な説明は中国「618」商戦とは?で扱っているので、そちらもあわせてご覧ください。

2026年の双11は、10月15日の予約販売から11月13日まで続く

2026年の日程は、9月下旬に中国メディアが一斉に報じました。観点網(2026年9月22日)は「2026年淘宝天猫『双11』招商規則」にもとづく記事として、亿邦動力の記事(新浪科技に2026年9月25日転載)はより細かい時刻まで報じています。

段階日時(2026年)内容
予約販売の予熱10月15日 0時〜19時59分予約販売の商品を事前に見せる期間
予約販売の手付金10月15日 20時〜10月20日 17時59分購入者が手付金(定金)を払う
予約販売の残金10月20日 20時〜10月25日購入者が残金(尾款)を払う
通常販売の予熱10月17日〜10月20日 19時59分在庫販売の商品を事前に見せる期間
通常販売10月20日 20時〜11月13日 23時59分在庫のある商品をその場で販売(約25日間)

出典:観点網「天猫2026年双11于10月15日开启预售 现货售卖期近25天」(2026年9月22日)/新浪科技「天猫双11将于10月15日开启预售 平台提醒商家要注重优惠力度和服务体验」(2026年9月25日・亿邦動力の転載)。どちらも招商規則を報じた記事で、天猫の公式発表そのものではありません。

名前は「11月11日」ですが、実際の販売期間は10月中旬から11月中旬までのおよそ1か月に及びます。

今年の仕組みは「官方立減」。値付けと発送の速さも条件になる

今年の天猫で報じられている大きな仕組みは「官方立減」です。亿邦動力の記事は、プラットフォームが組織する値引きで、消費者は複数の商品を組み合わせなくても1点の購入で値引きを受けられる、と説明しています。参加する出店者が負担する値引き率の下限は、カテゴリによって1%・5%・15%と分かれています。

同じ記事では、出店者に対して次の点が求められていると報じられています。

  • 活動期間中の値上げ、いったん上げてから下げる「先に上げて後で下げる」値付け、同じ商品の価格の不自然なばらつきを避けること
  • 価格保護(价保)や送料無料(包邮)といったサービスを提供すること
  • 48時間以内に発送すること

記事の言葉を借りれば、今の双11は「価格だけでなくサービスでも競う」商戦です。値引きの深さだけでなく、値引きの見せ方と発送の速さまで条件として課されていることになります。

ただし、これらは天猫(中国国内の出店者を含む全体)の招商規則として報じられた内容で、報道には天猫国際(越境EC)への言及がありません。越境ECの店舗に同じ条件がそのまま適用されるかは、出店後に届く天猫国際側の通知で確認する必要があります。

これから参入する会社は、今年の双11には参加できないと考えておく

今年の双11には参加できない、と考えておくのが現実的です。理由は2つあります。

1つ目は、双11は出店済みの店舗が申し込んで参加する仕組みだからです。報道によれば、今年も出店者による参加申込み(报名)の受付と締切がすでに設定されています。店舗を持っていない会社は、申込みをする立場にありません。

2つ目は、出店そのものに手続きと審査があるからです。天猫国際への出店には、海外の法人と商標、ブランドの授権関係、カテゴリごとの資質書類などが求められます。どの書類が必要かは商品カテゴリや店舗タイプによって違い、準備に要する期間も一律には言えません。手続きの全体像は天猫国際の出店の流れと必要書類で整理しています。

仮に今から手続きを始めて年内に店舗を開けたとしても、開店直後の店舗には販売実績や評価の蓄積がありません。大型商戦で予算を投じるのは、通常期に売れ方を確かめたあとにするほうが安全です。

越境ECの双11は「在庫と物流」の計画が先に問われる

日本語の記事では双11を値引きと流通総額の話として紹介することが多いのですが、越境ECの出店者にとっては、在庫と物流の計画のほうが先に問題になります。

天猫国際は、双11に合わせて越境ECの出店者向けのルールを出しています。公式の規則サイトで確認できる2024年版(《天猫国际2024年双11狂欢节完美达成消费者体验保障规则》、2024年9月27日付・同年10月10日発効)は、出店者に次のことを求めていました。

  • 販売数量を合理的に予測し、物流事業者と出荷体制を詰めておくこと
  • 販売量と物流の能力が計画から大きく外れ、発送の遅れが見込まれるときは、出荷する倉庫の変更や注文の振り分けに協力すること
  • 影響が大きい場合は、商品ページの配送日数の表示を変える、地域を限って販売する、在庫をロックするといった対応をとること

出典:天猫国際 規則 ruleId 20006325(rule.tmall.hk・2026年10月5日取得)。2025年・2026年の同種ルールは、2026年10月5日時点の公式規則サイトの検索では確認できませんでした。

越境ECの保税区モデルでは、販売する在庫をあらかじめ中国の保税倉庫に入れておきます。日本からの輸送と通関には時間がかかるため、双11の直前に「売れそうだから追加で送る」という動き方はできません。どれだけ売れるかを事前に読み、その分の在庫を前もって倉庫に置いておく計画が、値引きの設計よりも先に必要になります。読みを外すと、売り切れて機会を逃すか、売れ残った在庫を抱えるかのどちらかです。物流モデルの違いは中国越境ECの物流で解説しています。

参加しない今年は、5つの項目を記録する「測る場」にする

売る側に立てない年でも、双11は情報を集めるには都合のよい期間です。中国の主要なブランドがまとまって価格と販促を動かすので、普段は見えにくい自社カテゴリの相場や競合の打ち手が見えやすくなります。参入の判断材料として、次の5点を記録しておくことをおすすめします。

観察項目何を記録するか来年の何に使うか
1. 価格の下がり幅自社と近い商品(競合の日本ブランド・海外ブランド・中国ブランド)の通常期の価格と、双11期間中の実際の支払額値引きの原資を含めた価格設計と採算の試算
2. 売り方の型単品か、セット組みか、サンプル付きか。予約販売を使っているかどの形で商品を出すかの設計
3. 検索とランキング自社カテゴリのキーワードで上位に出るブランド・商品が、期間の前後でどう入れ替わるかどこまでの露出を狙えるかの見積もり
4. 店舗の外での露出小紅書やライブ配信で、競合ブランドが双11前にどんな発信をしているか販促の予算配分と開始時期
5. 双11後の価格期間が終わったあと、価格が通常期の水準に戻るか、下がったままになるか値引きが通常期の価格を崩さないかの判断

記録は、期間の前(10月上旬)、期間中、終了後(11月下旬)の3時点で同じ商品を見るだけでも比較できます。とくに1と5は、参入後の採算の見積もりに直接使えます。双11の値引き率が深いカテゴリでは、通常期の価格もその影響を受けやすいからです。出店にかかる手数料などの費用は天猫国際の出店費用で、返品・返金の負担の考え方は天猫国際の返品・返金ルールで整理しています。

来年の双11から逆算すると、決める順番は「売れる商品か」の見極めから始まる

来年の双11を最初の大型商戦にしたいなら、逆算の起点は「参加申込みの時点で、店舗が通常期に動いていること」です。今年の招商規則は9月に報じられました。来年も同じ時期に申込みが始まると仮定すると、その時点で、店舗が開いていて、商品が登録され、通常期の売れ方を少なくとも数か月は見られている状態が望ましい、というのが当社の見立てです。

そこから逆にたどると、決める順番は次のようになります。

  1. 中国で売れる商品か(規制・成分・需要)を見極める
  2. 販売モデル(保税区か直送か、どのモールか)を決める
  3. 予算と撤退条件を決める(双11の値引きと在庫の負担も含める)
  4. 出店手続きを進め、店舗を開ける
  5. 通常期に売れ方を確かめ、双11で売る数量と在庫を読む

手続きは4番目ですが、1〜3が決まっていないと手続きの書類もそろいません。この順番の考え方は越境ECの始め方 ― 「決める順番」で詳しく書いています。今年の双11で集めた観察記録は、2と3を決める材料になります。

なお、双11は規模の大きな商戦で、星図数拠の調べでは2025年の双11期間の流通総額(総合ECプラットフォーム・クイックリテール・コミュニティー団体購入の合計)は1兆6,950億元、前年同期比14.2%増でした(出典:JETRO 地域・分析レポート「ダブルイレブン商戦から見た中国消費市場の今」2026年1月28日)。ただし、この規模はそのまま自社の売上機会を意味しません。どれだけ取れるかは、上の1〜5を順に詰めて初めて見積もれます。2026年の618の動きは2026年 中国618商戦の結果とトレンドにまとめています。

よくある質問

Q. 2026年の双11はいつからいつまでですか。
A. 天猫では、10月15日に予約販売が始まり、10月20日20時から11月13日23時59分まで通常販売が続きます。いずれも招商規則を報じた中国メディアの記事にもとづく日程です。

Q. まだ中国で販売していない会社でも、今年の双11に参加できますか。
A. 現実的には難しいと考えてください。双11は出店済みの店舗が事前に申し込んで参加する仕組みで、今年の申込みはすでに受付が設定されています。天猫国際への出店にも書類の準備と審査があるため、今年は観察に回し、来年の参加を目標に準備するのが一般的な進め方です。

Q. 越境ECの店舗にとって、双11で一番気をつけることは何ですか。
A. 在庫と物流の計画です。天猫国際は2024年の双11で、出店者に販売数量の予測と物流事業者との出荷体制づくりを求め、発送の遅れが見込まれるときは倉庫の変更や地域限定の販売などに協力するよう定めていました。保税区モデルでは在庫を前もって中国の保税倉庫に入れておく必要があるため、直前の追加補充はできません。

Q. 双11の値引きは、出店者が負担するのですか。
A. 2026年の天猫で報じられている官方立減では、カテゴリごとに出店者の値引き率の下限(1%・5%・15%)が設けられています。越境ECの店舗にどの条件が適用されるかは、天猫国際側の通知で確認が必要です。値引きの原資は価格設計の段階で織り込んでおく必要があります。

Q. 双11の流通総額はどのくらいですか。
A. 星図数拠の調べでは、2025年の双11期間の流通総額(総合ECプラットフォーム・クイックリテール・コミュニティー団体購入の合計)は1兆6,950億元で、前年同期比14.2%増でした(JETRO 2026年1月28日のレポートによる)。これはプラットフォームの公式発表ではなく、第三者による推計です。

まとめ

2026年の天猫の双11は、10月15日の予約販売から11月13日の通常販売終了まで、およそ1か月の商戦です。今年は、1点の購入で値引きが受けられる官方立減に加えて、値上げしてから下げる値付けを避けることや48時間以内の発送など、価格とサービスの両方に条件が付くと報じられています。

これから中国越境ECに参入する会社にとって、今年の双11は売る場ではありません。参加は出店済み店舗の事前申込み制で、店舗を持たない会社は申し込む立場にないからです。その代わり、自社カテゴリの価格の下がり幅や競合の売り方、終了後の価格の戻り方を記録しておけば、来年の価格設計と採算の見積もりに使えます。越境ECで双11に参加するときに最初に問われるのは、値引きよりも在庫と物流の計画です。

当社では、中国越境ECへの参入判断から、出店手続き、商戦に向けた在庫・販促の計画まで支援しています。「来年の双11に間に合わせるには、いつ何を決めればよいか」といった段階からご相談いただけます。

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