【2026年】中国618 化粧品(美妆)ランキングとプラットフォーム別シェア — 国際大牌の復権と国貨の細分化
2026年の中国「618」商戦で、化粧品(中国語:美妆 měizhuāng・メイジュアン)は家電に次ぐ存在感を見せたカテゴリでした。越境EC・日本ブランドにとっても主戦場のひとつです。本記事では、618全体の結果ではなく化粧品カテゴリに絞って、プラットフォーム別のシェアと、天猫(Tmall)が発表したブランドランキングTOP20を読み解きます。618全体の結果・トレンドは【2026年】中国618商戦の結果とトレンド、仕組みそのものは中国「618」商戦とは?で扱っています。
本記事のシェアは調査会社易观分析(Analysys/イーグァン)の推計で、いずれも「化粧品(美妆)カテゴリの成交額」に限定した値です(618全体のシェアではありません)。ブランドランキングは天猫618×天下网商が発表した全周期ランキング(自己申告ベース)で、TOP3と各社シェアは新浪科技(2026-06-23)でも確認しています。618全体の総額系の数字(星図データ/Syntun)とは出典・定義が異なります。
目次
化粧品のプラットフォーム別シェア — 淘宝天猫が最大、抖音が約3割
易观分析の推計では、2026年618全周期の化粧品(美妆)の成交額シェアは、淘宝天猫が44.8%でトップ、抖音(ドウイン)が31.9%で続き、この2つで全体の約4分の3を占めました。家電のように補助金で京東が伸びる、という売れ方ではありません。化粧品は「ブランドの世界観を見せる棚型EC(淘宝天猫)」と「ライブ・動画で売る抖音」の二強です。
前年(2025年)の易观分析の同種データと比べると、淘宝天猫はわずかに低下し、抖音が上昇、また従来まとめて扱われがちだった快手が独立して計上されるようになりました。京東・拼多多は化粧品では1割前後にとどまり、化粧品は「淘宝天猫+抖音」をどう設計するかが事実上の主戦場であることが、数字からも読み取れます。抖音の活用は抖音(DouYin)EC活用法、ライブの位置づけはライブコマース戦略もご覧ください。
天猫美妆 618全周期ランキングTOP20 — 国際大牌(海外ブランド)が上位に戻り、国貨(中国ブランド)は機能特化へ
天猫(Tmall)が天下网商と発表した2026年618全周期(5/6〜6/21)の美妆ブランド成交ランキングでは、TOP1にスキンケアのドクターズコスメ「修丽可(SkinCeuticals)」、TOP2に「雅诗兰黛(エスティ ローダー)」、TOP3に国貨(中国ブランド)の「珀莱雅(プロヤ)」が入りました。TOP20のうち国際ブランドが15、国貨が5という構成です。
出典:天猫618×天下网商「2026天猫618全周期 美妆品牌成交榜単」(集計期間 5/6〜6/21・支払GMV口径・未監査)。TOP3と各社シェアは新浪科技(2026-06-23)でも確認。順位はブランド成交額ベースの自己申告で、第三者推計(星図データ)とは口径が異なります。読み方は中国語読み(カタカナ近似)/一般的な日本語表記の順で併記しています。
ランキングから見える3つのこと
1. 国際大牌(海外ブランド)が上位に戻ったのはなぜか
ここ数年は珀莱雅をはじめ国貨(中国ブランド)の伸びが目立っていましたが、2026年618ではTOP10の多くを国際大牌が取り戻しました。理由は大きく3つあります。1つめは、国際大牌が抖音などの動画・ライブ販売(内容電商)の運営に本腰を入れ、もともと持っているブランド力をそのまま売上に変えられるようになったこと。これまで国貨が持っていた「抖音での運営のうまさ」という優位が縮みました。2つめは、大型セールで消費者が「失敗したくない」心理から、効果が読めて信頼できるブランドに予算を寄せるようになったこと。高い商品を買わなくなったのではなく、確実なものに絞って買う動きです。3つめは、平台の補助金・サンプル・会員特典・ライブ限定価格で、高価格帯の化粧品が以前より手を出しやすくなったことです。
2. ロレアルグループだけで7ブランド
TOP20のうち、修丽可・兰蔻・巴黎欧莱雅・赫莲娜・圣罗兰・理肤泉・科颜氏の7ブランドがロレアルグループです。ドクターズコスメからラグジュアリーまで価格帯と効能を幅広く押さえ、一社で棚の何枠も取りにきます。日本ブランドが1つのブランドで挑むには、かなり手強い相手です。
3. 国貨(中国ブランド)は「落ちた」のではなく機能特化に回った
日本発のブランドはTOP20にSK-II(5位)・肌肤之钥/クレ・ド・ポー ボーテ(10位)・資生堂(12位)の3ブランドが入りました。いずれも高機能・高価格帯で、価格より中身で選ぶ層に支持されています。一方の国貨は、総合ランキングの上位争いでは国際大牌に押し戻されたものの、売れなくなったわけではありません。珀莱雅・可复美・薇诺娜のように「敏感肌」「医療美容(医美)後の肌ケア」など、特定の悩み・成分に絞って深く攻める方向へ切り替えています。椿油の林清轩、ヘアケアの滋源・康王などが高い伸びを見せたのがその例です。日本ブランドは、汎用的なスキンケアでは国際大牌に、機能を絞った領域では国貨に、両側から挟まれる位置にいます。
日本の化粧品ブランドがやるべきこと
2026年618の化粧品ランキングとシェアから、中国市場に挑む(あるいは見直す)日本ブランドがやるべきことは次の4つです。
- 「淘宝天猫+抖音」の両方をやる:化粧品の売上は淘宝天猫(44.8%)と抖音(31.9%)の二強に集中している。棚型ECでブランドの世界観を作り込みつつ、抖音のライブ・短尺動画で需要をつくる。どちらか片方では届かない。出店の入り口は天猫国際(Tmall Global)を参照。
- 「安さ」ではなく中身と効果で選ばれる:上位は高機能・高価格帯の国際大牌が占めた。値段で国貨と張り合っても勝てない。世界観・品質・使ったときの実感で選ばれる方が、長い目で見て残りやすい。
- 機能性・成分の言語化:国貨が「敏感肌」「医美後ケア」など細分領域で伸びている。日本ブランドも、何にどう効くのかを中国の消費者に伝わる言葉で具体的に語れるかどうかで差がつく。ただし効能の打ち出しはNMPA登録の有無や、跨境ECで言ってよい表現の線引きに注意が必要(関連記事:エクソソーム成分の販売禁止)。
- 単独ブランドの弱さを補う設計:ロレアルのような「面」の物量に単独で挑むより、KOL・ライブ・種草(事前のシーディング)で狙う層を絞り、リピート(复购)で積み上げる戦い方が現実的。
まとめ
2026年618の化粧品(美妆)は、淘宝天猫と抖音の二強の上で、国際大牌が上位を取り戻し、国貨は機能を絞った領域に回った回でした。日本ブランドに求められるのは、価格ではなく中身と効果で選ばれる準備と、「淘宝天猫+抖音」を前提にしたチャネルづくりです。
618全体の結果・トレンド(総額・カテゴリ別GMV・AIネイティブ化・規制介入など)は【2026年】中国618商戦の結果とトレンド、商戦の仕組みは中国「618」商戦とは?で解説しています。中国ECは商戦のたびに「売れ筋」と「売り方」が動きます。自社ブランドの中国展開を具体的に検討されたい方は、お気軽にご相談ください。