中国越境EC集客・販促
企業向けRED(小紅書)マーケティング完全ガイド
この記事の要点
REDは購入前の情報収集に使われ、中国の消費者に口コミで知ってもらう主要なSNSの一つです。
- 使われ方:検索エンジンのように使われ、買う前に一般ユーザーの口コミを確かめる使い方がされます。
- 広告の開設:聚光の規範(2026年2月更新)では、境外主体の業種は招待制で、営業・運営担当を通して申し込みます。
- 費用:施策・規模・代理店で大きく変わるため、開設と運用、KOL・KOCへの依頼、広告に分けて見積もりを比べます。
「最近よく聞く中国SNSのREDって、ビジネスにどう使えるんだろう?」
「中国市場向けの新しい施策として、RED(小紅書)の活用を検討したいが、何から始めればいいかわからない…」
このような課題をお持ちのマーケティング担当者様、海外事業担当者様へ。この記事では、中国で影響力の大きいSNS「RED(小紅書/シャオホンシュー)」をビジネスで活用するための情報を、網羅的かつ分かりやすく解説します。
REDは単なるSNSアプリではありません。ユーザーの口コミ(UGC)が購入前の情報収集に使われる「検索プラットフォーム」であり「Eコマースプラットフォーム」でもあるのです。
この記事を最後まで読めば、REDの基本から具体的なマーケティング手法、業界別の活用のしかた、そして費用の考え方まで、導入を判断するための基本を整理します。
RED(小紅書)とは?ビジネスで注目される中国SNS
REDは検索エンジンのように使われ、月間アクティブユーザーは2025年半ばに3.5億人を超えたと報じられています。
RED(小紅書)とは、2013年に上海で創業した中国のSNSプラットフォームです(出典:鳳凰網1)。「RED」や「Red Book」という通称でも知られており、主にライフスタイル全般に関する情報をユーザーが投稿・共有する場として発展してきました。
月間アクティブユーザー数は、2025年半ばに3.5億人を超えたと報じられています(出典:投資界2、2026年2月。小紅書による公式の発表ではありません)。
ユーザーは化粧品(コスメ)やファッション、旅行、グルメといった幅広いジャンルで、商品レビューや使用感、体験談を写真や動画付きで投稿します。こうした口コミが購入前の参考にされる点が、ビジネスで注目される理由です。
Instagramとの決定的な違い
REDは「中国版Instagram」と表現されることが多いですが、マーケティングの観点から見ると、その性質は大きく異なります。
最大の違いは、REDが「検索エンジン」として使われている点です。商品を買う前やサービスを使う前に、REDで検索して一般ユーザーの口コミを確かめる使い方がされます。REDでよく使われる「种草(ジョンツァオ)」は、投稿などを通じて商品への興味や「欲しい」という気持ちを生むこと(種をまくこと)を指します。
UGCが購買を生む独自のプラットフォーム特性
REDの核心は、UGC(User Generated Content=ユーザー生成コンテンツ)にあります。企業からの発信とは別に、同じ消費者である一般ユーザーのレビューが参考にされる点が特徴です。
こうしたUGCを、ユーザーは購入前の情報収集に使います。購入した人が自分で投稿すれば、それが次の人の参考になります。
企業にとっては、このUGCのサイクルの中に自社の商品やサービスをいかに自然な形で組み込み、ポジティブな口コミを創出するかが、REDマーケティング成功の鍵となります。
企業が実践するREDマーケティングの4大手法
手法は公式アカウント、KOL・KOC、広告、ライブコマースの4つで、中国大陸外の企業が広告を出せる業種は招待制です。
REDで成果を出すためには、プラットフォームの特性を理解した上で、目的に応じた手法を組み合わせることが重要です。ここでは、企業が実践すべき代表的な4つのマーケティング手法を解説します。
公式アカウント運用とファンコミュニティ形成
企業の「顔」となるのが公式アカウント(企業号)です。単に商品を宣伝するだけでなく、ブランドの世界観やストーリー、ユーザーにとって役立つ情報を発信することで、ファンの育成を目指します。
定期的な情報発信を通じてユーザーとコミュニケーションを取り、関係を築くことを目指します。小紅書で広告を出すには、まず「专业号(プロアカウント)」を開く必要があります。小紅書の広告プラットフォーム「聚光」の規範は、中国大陸の外にある企業(境外主体)が专业号を開いたうえで広告アカウントを開設する手順を定めていますが、境外主体の業種は「定邀行业」(招待制)とされ、自分では申請できず、小紅書の営業・運営担当を通して申し込む必要があります(出典:小紅書聚光「跨境业务入驻规范」3、2026年2月6日更新)。必要書類は業種ごとに違うため、事前の確認が欠かせません。
KOL/KOCを活用した口コミプロモーション
REDマーケティングの要となるのが、インフルエンサー施策です。
KOL(Key Opinion Leader): 芸能人や専門家など、影響力の大きいインフルエンサー。認知を広げたい場面で起用されます。
KOC(Key Opinion Consumer): 特定分野に詳しい一般ユーザーに近いインフルエンサー。フォロワー数はKOLより少ないものの、ユーザーに近い目線の口コミが期待されます。
KOLとKOCは「どちらを先に起用するか」に決まった正解はなく、商品の知名度と段階に合わせて配分を変えながら併用するのが実務での一般的な考え方です。小紅書の運用を解説する中国の実務記事では、発売前後の声量づくりの段階からKOC・腰部KOL・頭部KOLを組み合わせ、話題が広がった段階では腰部KOLの比重を上げ、購入につなげる段階ではライブ配信などで声量の大きいKOLを使いながらKOCの体験談も続ける、という段階別の配分が紹介されています(出典:人人都是产品经理「小红书KOC铺量投放怎么做?」4、2024年)。抖音の例ですが、知名度の低い商品では、先にKOLが話題をつくり、その後に多数の一般ユーザーの投稿で広げる進め方も紹介されています(出典:人人都是产品经理5、2019年)。
成果に繋がる広告運用とメニュー解説
より直接的にターゲットユーザーへアプローチしたい場合、広告運用が有効です。REDの広告には、通常の投稿と同じ形式で表示されるものがあります。
検索広告: 特定のキーワードで検索したユーザーに対して広告を表示。購買意欲のある層に直接アプローチできます。
フィード広告: ユーザーのタイムライン(発見ページ)にUGCと同じ形式で広告を配信。潜在層へのリーチや認知度拡大に適しています。
ユーザーの年齢、性別、地域、興味関心など、条件を絞って配信できます。
ライブコマース
REDの強力な機能の一つが、ライブコマースです。KOLやKOCがライブ配信で商品をリアルタイムに紹介し、視聴者はその場で質問したり、アプリ内のショッピング機能(商城)で商品を購入したりできます。
商品の魅力を動画で伝えながら視聴者と双方向のコミュニケーションが取れる形式です。化粧品やアパレル、食品のように、見た目で魅力を伝えやすい商材に向いています。
業界別の活用のしかた
化粧品は使用感レビュー、アパレルは着こなし投稿が中心で、2023年発表の日本小売業部門のフォロワー数上位はドラッグストアが占めました。
ここでは、業界ごとのREDの使われ方を紹介します。
化粧品
化粧品は、使用感のレビューや比較の投稿が多く、口コミで購入を検討する人が集まりやすいカテゴリです。KOL・KOCに実際に使ってもらい、テクスチャーや使用前後の変化を投稿してもらう施策がよく使われます。中国向けの化粧品は成分の規制もあるため、投稿の内容は成分の確認とあわせて設計します。
アパレル・ファッション
アパレル業界では、コーディネート投稿(穿搭)が人気です。公式アカウントでの新作紹介やKOCによる着こなし投稿が、主な使い方です。商品の着回し術やサイズ感といった情報が投稿されます。
インバウンド(訪日客向けの小売)
訪日前の情報収集にREDを使う中国の旅行者に向けて、日本の小売業もアカウントを運営しています。アライドアーキテクツの中国マーケティングラボが2023年に発表したREDのアカウントのフォロワー数ランキングでは、「日本小売業」部門の1〜3位をすべてドラッグストアチェーンが占め、1位はマツモトキヨシでした(出典:訪日ラボ6、2023年8月)。
REDマーケティングの始め方と費用相場
費用は一律の相場を示しにくく、アカウント運用とKOLやKOCへの依頼と広告の3つの内訳に分けて見積もりを比べます。
REDマーケティングを始めるには、専門的な知識やノウハウが必要です。ここでは、導入の進め方と費用の考え方について解説します。
代理店活用のメリットと選び方
REDマーケティングは、公式アカウントの開設手続きやプラットフォームの規約、現地のトレンド理解など、専門性が求められる領域です。そのため、専門の代理店に依頼する方法もあります。
代理店を選ぶ際は、以下のポイントを確認しましょう。
・REDマーケティングの運用実績が豊富か
・業界や商材に合わせた戦略立案が可能か
・KOL/KOCのキャスティング力があるか
・効果測定とレポーティング体制が整っているか
費用の考え方
費用は施策の内容・規模・代理店によって大きく変わり、一律の相場を示すのは難しいのが実情です。見積もりを比べるときは、次の内訳に分けて確認します。
- アカウントの開設・運用:专业号の認証にかかる費用と、投稿の企画・制作・運用を代行する場合の月額費用。
- KOL・KOCへの依頼:発信者への報酬(商品提供のみの場合もある)。蒲公英を通して発注する投稿(报备)は、平台サービス料として10ポイントが上乗せされると報じられています(2023年時点。現行の条件は蒲公英で確認が必要。出典:数英7、2023年)。
- 広告:聚光での出稿額。境外主体は招待制のため、出稿の前に開設の可否を確かめます。
目的と予算に合わせて、どこに費用をかけるかを決めてから見積もりを取るのが確実です。
主要中国SNSとの戦略的な使い分け
Weiboは一気に広める場、Douyinは動画から買う場で、REDは買う前に口コミを調べる場として使い分けます。
中国市場で成果を出すには、各SNSの特性を理解し、使い分けることが大切です。
情報拡散のWeiboと購買起点のRED
Weibo(微博)は、日本のX(旧Twitter)のように、リアルタイム性と高い拡散力を持つ「マス向けメディア」です。新商品発表や大規模キャンペーンの告知など、情報を一気に広めたい場合に有効です。
一方、REDは、ユーザーが能動的に情報を探しに来る「検索メディア」であり、購入を検討している層に情報を届けたい場合に向いています。Weiboで知ってもらい、REDで口コミを調べてもらう、という連携も考えられます。
ショート動画のDouyinとライフスタイル検索のRED
Douyin(抖音)は、TikTokの中国版であり、ショート動画とライブ配信を入口に買い物までできるプラットフォームです。抖音電商の2024年のGMVは約3.5万億元で、そのうち棚型EC(商品ページから買う形)が4割を超えると、36氪が関係者の話として報じています(出典:36氪8)。娯楽だけでなく、ECの主要な場の一つになっています。
一方、REDは、買う前に口コミを調べる場として使われます。「何かを買いたい」「どこかへ行きたい」といった明確な目的を持って検索するユーザーに対し、じっくりと商品の魅力を伝え、購買を検討させるのに向いています。
まとめ
本記事では、中国SNS「RED(小紅書)」をビジネスで活用するためのマーケティング手法や業界別の活用のしかたを解説しました。
最後に、重要なポイントを振り返ります。
・REDは「検索+EC」の特性を持ち、購入前の情報収集に使われるSNS
・成功の鍵は、ユーザーのリアルな口コミ(UGC)をいかに生み出すか
・本記事で紹介した手法は「公式アカウント」「KOL/KOC」「広告」「ライブコマース」の4つ
・WeiboやDouyinなど他のSNSと戦略的に使い分けることが重要
REDは、中国の消費者に口コミで知ってもらうための主要なプラットフォームの一つです。この記事が、貴社の中国マーケティング戦略を加速させる一助となれば幸いです。より具体的な戦略や施策についてご興味がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
お問い合わせはこちら:お問い合わせフォーム