エフカフェ出身起業家 Dent株式会社代表石井元さんインタビュー後編


前半では、エフカフェ入社から創業〜独立の経緯や、独立後の奮闘期間についてお話を伺いました。後半では、Dent起業を経て培った価値観や、「Garage」への想いについてお話を伺います。

起業後に感じた「守り」への葛藤と「Garage」のメリット

就活のころから起業や何か自分で始めることを目標にされていましたが、実際にしてみて感じるギャップはありますか?

「守り」の役割の大事さですね。潰さないこと。
言ってみれば、エフカフェでやってた新規事業は「攻め」だけを考えていました。お金まわりの心配をそこまでしなくても済んでたんです。そこには別の役割の人がいたから。

なるほど、実際に運営していくとリスクにも直面して、考えざるを得なくなるんですね。
今後エフカフェが「Garage」の体制になる上で、創業者は「守り」についてどれくらい大切に考えたら良いと思いますか?

「守り」や「潰さないこと」はすごく大事なことで、「お金を稼ぐこと」や「金策」につながってくるものだと思います。
しかし、ビジネスをする上でそれを考えることは、実は「本質」ではないと思ってます。
僕や「Garage」が考える「起業」って、社会に何かインパクトを与えたり、社会をよりよくする為にするものっていう思想が根底にあります。

既存の業態を壊しながら「守り」も考えないといけない状態って、基本的にはその本質と100%向き合っていない状態です。
そこを考えなくて良い、リスクばかりに囚われなくてもいい、失敗しても死にゃあせん!みたいな場所が「Garage」が目指す世界観ですね。
江上さんも言ってたのですが、例えばエフカフェとDentで作った利益を次の集合体に投資をして、挑戦したい人が挑戦しやすい環境をつくる。それが循環するっていうのが理想です。軽く聞こえるかもしれないけど、失敗しても「しょうがない!」っていうスタンス。
融資を受けるってことは個人借金になりますが、それ故に「守り」を考えてしまうことが避けられない。「Garage」で挑戦したい人は「守り」についてはなるべく考えなくていいと思ってますし、極力考えなくていい環境を作りたいですね。

なんて、おいしい話・・・!それはやっぱり、石井さんがDentを経営していく中で「守り」を考える時間が生まれて、「本質じゃないな」という葛藤があったからこそ生まれた考えなんですね。

そうですね、でも創業してから3~4年ずっと考えてた訳ではなく、「新型コロナウイルス」がきっかけでした。新型コロナウイルスの流行で急に観光市場全体にブレーキがかかってしまったんです。
新型コロナウイルスでブレーキがかかってしまい、そこで金策に動く必要でてきて、携わってくれてるメンバーや、応援してくれてる方のためにも「守り」について考えるようになりました。

なるほど!新型コロナウイルスは憎いですが、そういう気付きも得られたきっかけでもあったんですね。

創業者は事業に対して一番熱意をもってるべきだと思いますし、その熱意は「一番集中すべきこと」に使わないといけません。
Garageでは、「こういう事業をしたい」という人が旗振りをして、いろいろな技術を持った方を集められます。例えばデザインやマーケティングが得意な人がGarage内にいれば、入ってもらったりもできるわけです。
ビジネスを成長させて社会にインパクト与えたいと考えていても、一人でやろうと思ったら地道な道のりになります。仲間探しもそのひとつ。だけど、社内にいろんなタレントを持った人がいて、その人をポジションにアサインすれば、本来「旗振り」の人が目指すべき姿により早く近づけます。
人の流動性も、今考えている「Garage」の良さだと思っています。

旗振をしたい人はすればいいし、サポートがしたい人はそうすればいいし、全員がやりたいことに集中できる状態が一番その事業に集中できる環境だと思ってます。
それに、Garage内でのアサインだから、その人の能力とかどういう人なのかっていうのも最初からわかってるし、何よりその人への信頼があります。

そのシステムが上手く回るようになったら、0から起業する人よりスピード感がありますよね。ノウハウも社内に蓄積されるから、次何かしたい人はもっとスピードアップできますね。

そうですね。起業って苦労することとかノウハウを蓄積することが目的ではなく、社会に新しい価値を提供すること。
起業したから、苦労して地道にがんばるっていう考え方は古いのかなと思っています。
そこは下駄履かせてもらったらいいと良いと思います。僕も履かせてもらいましたしね。それに、諸先輩方と同じ失敗を無理にする必要はないです。

「起業」とは「新しい価値を生み出す」ことへの熱意

以前に「Garage」のお話を聞いた時に少し気になってたことがあって・・・
いわゆる「社内起業」って結局は「新規事業」的な意味合いで使われることが多いじゃないですか。でも「Garage」ではあえて「起業」って言葉を使っているのは何でなのかなって。

オーナーシップの捉え方なのかなって思ってます。起業することで、ここは誰の「シマ」なのかを示すオーナーシップの表れ。
起業ってやっぱり本格的にやろうと思ったらハイリスクを冒さないと、ハイリターンは得られなかったりする面があります。Garageはハイリスクを極力ローリスクにする仕組みではあるんだけど、やっぱりリスクは付いてきます。それを分かった上でやって欲しいって意味も込められていると思っています。僕はね。
事業の旗振りを続けるには「熱意」がやっぱり大事になってくると思ってて、「起業」というパワーワードをあえて使うことで、それを測る良いボーダーになるんじゃないかなって考えています。
「ちょっと何かやりたいな」くらいだと、進めていく中でやっぱり辛いこともあるし、途中で折れてしまうと思います。でも逆に言うと、熱意さえあればある程度の壁は乗り越えられると思っています。

「起業」という言葉の中に、リスクにも立ち向かえる強い熱意、気持を持ってほしい。という想いが含まれているんですね。

今はそれが正解と思っています。

これまでの話の中で答えが出てしまったかもしれないんですけど、どんな人にGarageに来てほしいですか?

起業したい人にだけ来てほしいわけではないです。そういう人も必要なのですが。
大前提として、エフカフェ、Dent、naturacart、これからできるであろう第4、第5のサービスが出てきても「チーム」を大事にできる人。
チームを大事に出来る人は、「人のことを信用できる」と思っていて、その価値観は何百人規模になったとしても変わらないでいて欲しいです。
起業したい人に限定するとしたら、テクノロジーに興味がある人。Garageのキーワードでもある「革新性」や、新しい価値を社会に提供したいと純粋に思ってる人に来てほしいですね。

色んな人には集まって欲しい、ただ前提として「チームを大切にできる人」プラス「新しい価値を提供したい人」ですね。

Dentはこれからどうしようと思っていますか?

Dentは「旅」にアドレスしているのですが、「旅」は業界的に休憩中なんですよね。まあ、マーケット自体が休憩してるからせざるを得ない状態です。
なので、これから作る新規事業が「旅」とは違うアドレスのもので且つ、ビジネスになりそうってなったら新しい会社を作ると思います。Dentの中の新規事業をしようとは思っていません。
Dentで作っちゃうとDentチームの中だけで動く流れになりますし、Dentでは「旅」への可能性をこれからも追求したいからそこはブレたくない。
僕としてはGarageの中で、新しい組織を作って行きたいと思っています。
同じ熱意を持つ人を集めて、事業を作り続けたいです。

石井さんがDentを始めた経緯としては、留学経験から来るカルチャーショック等から世界中の人と繋がりたいっていう想いがあると思うのですが、それが「核」というよりも、新しい価値を創造しビジネスをすることへの熱意の方が「核」になってるってことでしょうか。

Dentはその「核」をかたちにした1つ目の会社で、もちろん自分の子供の様にかわいい。
でもDentだけにこだわらず、視野が狭くならずに済んでいるのは江上さんという存在のおかげかなと思っています。
いまは、ソーシャルイシューに対して取り組み続けたいとも思ってて、ソーシャルイシューを解決しながら持続が可能なビジネスを生み出したい。且つチームで!
自分が熱くなれるものであればどこでも行く!って感じですね。

ソーシャルイシューをビジネスで解決することを、なぜチームで取り組みたいと思っているのかもう少しお聞きしたいです。これまでのお話の中で、ひとつ「効率化」という理由があると思いますが、他にもあるのでしょうか?

そうですね。チームでやりたい理由の一つとして「効率化」はあるけれど、それより大事な理由として、何かを達成した時に沢山の人と喜びたいっていう気持ちがあります。
エフカフェのビジョンにも「世界中の人々と幸せを分かち合う」があるのですが、そういうこと。
楽しい、嬉しいって気持ちって二人で分かち合っても半分にはならない、むしろ倍増する。チームで目標を掲げて、そこに突き進みたいし、それが達成できたら全員で喜びたい。
喜ぶ人が多い方が絶対楽しいと思います。

辛いことや苦労はチームメンバーで分担して取り組めば軽くなるし、嬉しいこと楽しいことはチームメンバーが居れば増えてより大きな幸せになる。ということですね。それが出来る人がGarageに来てほしい人になるんですね。

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エフカフェにいた石井さんだからこそ、「チームで取り組むこと」の喜びや楽しさを見出しているのですね。また、起業を通して「新しい価値を生むこと」のワクワク感や、反対に苦労を経験しているからこそ、「Garage」ではワクワクに純粋に取り組めるような環境を作りたいという気持ちがあるのだなと思いました。
これからのエフカフェ、Dentによる「Garage」から生まれる新しい組織に期待です!

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